義肢装具士が扱う「義肢」とは、身体の一部を失った人の新たな手足となるもの。「装具」とは身体の一部が弱ったり、機能が失われたときに用いる補助器具です。身体の不自由な方やお年寄りが思うままに行動できる、QOLの高い生活を支えます。POは医師の指示のもとに、義肢・装具を一人ひとりの体に合わせ、採寸・採型、試歩行(仮合わせ)、最終適合します。義肢の構成パーツは、近年めざましい進歩を遂げており、各関節をマイコン制御することで自然な動きを実現するなど、高度な技術を取り入れた研究開発が進められています。また、装具にしても、利用者の動きを解析し、素材の選定や加工法を研究することで、より使いやすく、体に合ったものを作ることが可能になっています。つまり、良い義肢・装具を作るには、工学の知識が不可欠なのです。 ※QOL(Quality of Life)クオリティオブライフは「生活の質」と訳されます。1989年にWHOが癌の医療に対し提唱しました。現在では、癌患者に限定されず「充実感や満足感を持って日常生活を送ることができること」という意味で使われており、医療や福祉の分野で大切な概念となっています。 ※患者さん一人ひとりの体形や、障がい部分の状態に合わせるため、義肢・装具は完全なオーダーメイドです。患者さんの身体にフィットする義肢・装具を作るには、正確な採寸・採型に始まり、素材の選定や製造、調整に至るまでの知識と技術が欠かせません。特に最近は、患者さんの求めるQOLが高まっており、義肢・装具に対してもより高度な性能が要求されてきてます。それに応えるためには、機械工学、マイクロエレクトロニクス、素材工学など工学の知識がより重要になってきているといえるでしょう。また義肢装具士は、患者さん、医師などの医療従事者、外部メーカーなどとの連携が欠かせません。コミュニケーション能力も大切な素養の一つです。 義肢と装具は、患者さんの怪我や障がいの状態に合わせ、さまざまなものがあります。 義肢装具士の多くは義肢装具製作所へ就職し、担当する病院に赴き、採型・採寸・適合をおこないます。そのほか、リハビリテーションセンター、福祉施設などへ就職する道もあります。求人は有資格者数を越えているので、高い就職率が期待できます。また、本学を卒業した場合は、医療・福祉機器のメーカーや、大学院に進学し研究者を目指すなど、さらに多方面への進路が考えられます。