サスティナブル(持続可能)な建築に
住環境システムの研究は欠かせない
日本で排出されるCO2の約36%は、建築関連分野から排出されるといわれている(1990年、日本建築学会地球環境委員会・ライフサイクル評価小委員会調べ)。意外なことに、その約63%が、建設時ではなく、建てたあと(運用時)に排出される、と半澤先生はいう。
「それだけに、あとのことを考えて建物を建てるのが重要なんです。まずは断熱・気密・換気の性能を高めて、冷暖房にかかるエネルギーを少しでも減らすこと。さらにそのうえで、再生可能なエネルギーを利用した効率のいい住環境システムを取り入れていくことが大切ですね」
半澤先生は、もともと大手ゼネコンである竹中工務店の技術研究所に20年以上にわたって勤務。
また、デンマーク工科大学の客員研究員として、室内環境の世界的権威であるファンガー教授にも学んだ建築設備のエキスパートだ。今や環境に配慮し、省エネルギー性能にすぐれ、ランニングコストにも無駄のない「住環境システム」を考えることは、建築における最重要課題となっている。
2008年には、新・建築士制度がスタートし、一定規模の建物の設計には「設備設計一級建築士」による法適合確認等が義務づけられた。
さらには、建物を環境面から総合的に評価する「CASBEE(キャスビー)」という評価手法も普及しつつあり、半澤先生はその評価ツールのテストを行う建築ケーススタディワーキンググループの主査を務める。
半澤先生が現在取り組んでいるのは、地中熱などの未利用エネルギーを使った住環境システムの構築だ。
2007年には、洞爺湖温泉で排熱利用ヒートポンプシステムを導入する検討委員会の委員長を務め、重油を使っていたときに比べ、CO2を約4割カット、ランニングコストも半分以下にするなど、大きな成果をあげた。
これまで有効活用できるにもかかわらず、使われてこなかったエネルギーをうまく利用して、省エネやコスト節減につなげる。環境性能の高い「サスティナブル建築」を考えるうえで、住環境システムの研究は欠かせない。
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半澤 久 教授
建築学科
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建築というと、すぐ「デザイン」に目が行きがちですが、高校生のみなさんにはぜひ「設備」の重要性にも目を向けてもらいたいですね。
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